(追記「アクアエナジー100」新規お申込み受付の一時停止について|お知らせ|東京電力エナジーパートナー株式会社
……だそうです。。。)
去年引っ越してからJ:COM電力を利用していた。携帯ほどの価格的インパクトがあるわけでもないので新電力には特にこだわりがなかったのだが、平時は東京電力のプランよりも多少安くなるようであったし、数ヶ月ほど割引があり、かつ解約金もないようだし、まぁよいかと勧められるまま契約したのだ。契約してからちょうど一年がたった。
これを東京電力のアクアエナジー100に切り替えた。理由はもちろん、昨今の燃料費高騰のためである。従量電灯Bと迷ったが、アクアエナジー100にした。引き続き、あらゆる可能性を排除せず燃料費調整額を緊張感をもって注視し今までにない思い切った対策を検討する。
電気代高騰の仕組み
9月の請求費用を見て驚いた。11,245円。これは今まででもっとも高い電気代だ。確かに僕は暑がりで一日中エアコンをつけており、昨今はリモートワークで家にいる時間も長くなってはいたものの、それにしても高い。
ここまで高くなったのは、基本料金と従量課金分のほかに、燃料費調整単価というものがあり、これが高騰しているためだ。たとえばJ:COM電力の燃料費調整額を見てみよう。
2022年10月、東京電力エリアでは5.13円/kWhとなっている。これが2021年10月の時は、-2.04円/kWhだった。つまり、月間で300kWh使った場合2151円ほど値上がりすることになる。これと意味不明な再エネ賦課金の3.45円/kWhもあり、電気代が非常に高くなっているわけだ。
しかしこの5.13円/kWhという額は、実はこれでも手心を加えられている。というのも、5.13円はプランで設定されている上限で、実際にはもっと高い。
J:COM電力|燃料費調整額に関する変更について | JCOMサポート
J:COM電力によると、8月の時点で既に5.10円だったものが、9月には6.50円、10月には8.07円となっている。この上限を超えた分は、まるっと会社側の負担だ。
で、まだ9,10月と超えただけなのだが、J:COM電力は早速音を上げて11月の検針から上限を撤廃するというメールを送ってきたのが9/26のことだ。こんなに早く撤廃するような上限をおおっぴらに書いて契約を促してきたわけか。いやはやまったく。
とはいえ、J:COM電力に限らず他の新電力はどこも同じような状況である。新電力はそう儲かるような仕組みでもなさそうなので、実際そうしないと即潰れてしまうのかもしれない。
破綻が相次ぐ新電力について取り扱ったこの動画は面白かった。
乗り換え先 従量電灯B or アクアエナジー100
さて、背景はともかくとして、契約しているJ:COM電力の燃料費調整額の上限撤廃という事態に僕は対応しなくてはならない。まぁ3円くらいなら上がったところで300kWhで900円だから言うほど大したことではないかもしれないのだが、今後の見通しは暗く、どうなるものかわからない。これが一時的なものなら、会社も上限撤廃などしないだろう。しかし燃料費高騰にはウクライナ情勢が大きく影響しているわけで、まぁまだまだ、どうにもならんだろうね。
ということで、いくらになるかわからない燃料費調整額に恐れを抱きながら、高く付くにきまっている新電力を利用し続ける気にはなれず、東京電力に出戻りすることにした。
しかしこの東京電力にもトラップがあり、東電が薦める新プランのスタンダードだのプレミアムだのなんだのは、燃料費調整額に上限がないのだ。じゃあ新電力と変わらんやんけ。
が、一応ちゃんと旧プランの従量電灯もこっそりと受付を続けている。旧プランはWebでは申し込めず、電話受付のみとなっている。Twitterを眺めていると、どうやら今かなり電話が繋がりづらいらしく、有料の番号で繋がるまで15分待たされたなどの報告もあり、かけ放題じゃなかったらこの電話代だけでアホみたいにかかってしまうかもしれない。安くするための手続きにかかる費用で高くついたら、何がなんだかわからんね。
ということで、まぁ僕の場合は従量電灯Bに乗り換えるのが無難だと思われたが、電話対応は面倒臭いなぁと思っていたら、もう一つ、新プランの中でも燃料費調整額がないプランがあるようだった。アクアエナジー100だ。
これは供給される電力がすべて水力発電によると「みなす」というもので、環境への配慮は感じさせつつ、コスト面から見るとたくさん使う場合は別だが普通に使う分には高く付くという、意識高い系プランとなっている。
しかし、燃料費調整額の暴騰を受けて、普通に使っていても従量電灯Bよりアクアエナジー100のほうが安くなることも十分に考えられる状況だ。
具体的に言うと、30Aだと220kWh/月以上使う場合はアクアプランのほうが安くなる。まぁこれはアンペアで変わるので各々試算したらいい。
220kWhは僕の秋・冬場の使用量的には微妙なところなのだが、まぁでも従量電灯Bとの差額はそれほどでもないし、少なくとも燃料費調整額がいくらになるのかと怯える必要もなくなることや、手続きの簡便さなどを考えて、アクアエナジー100をWebから申し込んだ。10月下旬には利用開始となる見込みだ。
注視すべき今後の動向
アクアエナジー100はずっと続けるプランではないと思っている。また、状況はこれからさらに悪化するものと思われ、それに応じて状況はまた変わるかもしれない。
以下の動向について、引き続き緊張感を持って注視する所存だ。
- 燃料費調整額の動向はどうか
- アクアエナジー100の料金は変わらないか
- 従量電灯Bの燃料費調整額の上限が上がったり撤廃されたりしないか
- 岸田政権が突然なんかよくわかんないこと言いださないか
今回の物価高、各種インフラの高騰にはさすがにおとなしい日本国民の怒りのボルテージも上がり始めているようで、政府は慌てて今頃になってなにか対策をすると言っている。いったいなにをするのやら。いや、なにかするのかねほんとに。「前例のない思い切った対策」とやらをするらしいが、また業界の元締めに補助金配るんかな。いや、それとも思い切った検討を加速させるのか……。燃料費高騰なんてだいぶ前から言われていたことだが、就任から一年たって選挙と葬式しかしなかった現政権に何を期待できようか。
国民民主党の玉木代表などは再エネ賦課金にも言及しており、まぁ再エネ賦課金は意味不明なので削ってくれていいのだが、しかし問題の本質は需要が供給を上回っていることであるので、根本的な解決にはならないだろう。減税は需要を増やす政策だし。いや、減税する分にはウェルカムだけどね。
ただ本当に必要なことは供給を増やすことで、まぁそれはつまり我が国においては原発再稼働にほかならないのだが、この期に及んでも中々それを言う政治家は少ない。まぁさすがにこの段になってこれまで反原発で喧しかった野党も些かトーンダウンしているようであるが。慎重な意見が多かった世論も、高騰する電気代という現実を前にして潮目が変わったしね。
平時に検討した理想は、しばしば現実を捻じ曲げる形で枠組みが作られる。どう考えても100%水力のCO2フリーでエコなアクアエナジー100とやらが他の電気代より安くつくはずはないと思うが、まぁこれも歪みが顕現した形だろう。再エネ賦課金だって、平時は見過ごされてもこうなってくると気づく人が増えはじめるだろうね。「これなに?誰が決めたの?」ってなるよな。
ツケを払う時がきたということか。ため息が出るなぁ。
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