ReadyNAS 104を購入してからもう一ヶ月以上経ちます。NASとしては比較的安価なものということもあり、マシンスペックが低くてそれなりに苦労しましたが、ようやく安定的に運用できるようになってきたと思います。とにかくできるだけReadyNASに負荷をかけないこと、が大事でした。
一ヶ月使っての結論
私の用途は大別して二種類、各種マシンからsambaまたはsshでアクセスできるファイルサーバー、そしてMacのTimeMachine先としてバックアップサーバーです。最初購入した時は、元がDebianならいろいろとできることがあるのでは?と夢が広がったりもしたのですが(owncloudで自前のオンラインストレージとか)、いざ運用してみるとあまりにも落ちる&落ちる&落ちるを繰り返すフォーリン・マシンだったので、あまりややこしいことはさせないでおこう、という結論です。
2016/08/06追記:その後、TimeMachineサーバーの機能は結局使わなくなりました。理由は、エラーが出て初期化の憂き目に何度かあったこと、またデータの転送速度が非常に遅く、大容量のバックアップには不安があると判断した為です。TimeMachineは結局外付けハードディスクが一番安心ですよ…。(「結局TimeMachineはNASを使わず外付けハードディスクを利用するようになった」)
安定して動くまでの軌跡
ReadyNAS 104で運用を始めるにあたり心がけたいのは、何か作業やサービスを開始するときは1つずつ、ということです。複数のことを同時にさせてはいけません。アップアップしてうんともすんとも言わなくなります。もう何度電源プラグを抜いたことやら。幸いなことに故障はありませんでしたが、心臓に悪い。最近の富豪マシンに慣れた身では、知らず知らずのうちに無理をさせてしまいます。
まず最初にハードディスクを挿入するわけですが、これは面倒でも一本ずつ入れて、そのたびにリビルドさせました。仕様上は4本一気に挿入しても問題ないと思いますし、実際それでもうまくいくかもしれません。しかし、一本ずつやったほうがよいと思います。まぁ、数日もあれば完了するでしょう。私が使用したハードディスクは2TB*4ですが、これが3TBや4TBのものだと、さらに時間がかかるのでしょうねぇ…。
RAIDは設定をいじればいろいろなパターンを組むことができるのですが、私は標準であるX-RAIDを使用するのが一番よいのではないかと思います。この製品もそれを前提に作られていると思いますし、いざ何かがあったとき、標準的な構成であったほうが復旧が楽だと思うのです。もちろん機能的には自由なRAIDパターンが可能なのですが……まぁ、ややこしいことはできるだけしないことにします。
さて、ハードウェアが使えるようになったら、SSHをONにします。ReadyNASは、初期設定ではroot以外のログインシェルが/bin/false(だったっけ?)なので、rootログインで運用するか、/etc/passwdをいじってユーザーのログインシェルを変更するかしないといけません。ネットワーク外部からのアクセスを許可しなければ、root運用が一番手間いらずかもしれませんが、まぁrootログインはNGにしたほうが何かとよいでしょう。
以上の準備が整った段階で、次にいよいよデータのコピーを開始です。ネットワーク経由で、ssh + rsyncを利用して、データのコピーを行います。sambaでもよいのですけれど、データの容量が大きい場合、一度のコピーを長時間続けるのが難しいこともありますから、途中でコピーが止まっても問題なく再開できるrsyncがやはり使いやすいと思います。ただ、OSXからLinuxにssh経由でファイルのコピーを行うとき、ファイルシステムの相違からくる濁点の問題に注意しなければなりません(「rsyncでiconvオプションをつけると、deleteオプションの挙動が変わる?? : 或る阿呆の記」、「Macでファイル共有の悩み…文字コード(濁点)、sambaの遅さ、iSCSIの対応 : 或る阿呆の記」)。具体的には、iconvオプションが必要です。
データのコピーが完了したら、今度はデータのバックアップをします。このとき、一番よいのはReadyNASに外付けハードディスクをつけることですが、どういうわけか、私の場合外付けハードディスクにバックアップさせようとすると落ちました。まさかI/Oの処理がおっつかないのでしょうか。USB 3.0に対応したポートがあるのですが。しかし何度やっても失敗し、電源プラグを抜く羽目になります。しまいに、再起動後はまた再構成を始めます。これでまた何十時間。仕方ありませんから、直接ハードディスクを繋ぐのは諦めて、まどろっこしいですが、ネットワーク上にある別のサーバーにバックアップデータを転送するようにしました。具体的には、Raspberry Piです。Raspberry Piならば場所もとりませんし、バックアップしたい時だけ外付けハードディスクをつけるようにすれば、トータルで見てReadyNASに接続しっぱなしにするより省エネでしょう。うまくいくか心配でしたが、これはうまくいきました。というわけで、現在PC ReadyNAS Raspberry Pi というネットワークが組まれています(「ReadyNASのバックアップに苦戦…負荷をかけると落ちる : 或る阿呆の記」)。なんだかけったいな感じがしなくもありません。
それが終われば、いよいよTimeMachineです。Macを複数持っていると、TimeMachineサーバーがあるのは有難いのですが、しかしながら、このTimeMachineも運用しているとなんだかよくエラーが出るような気がします。何度かバックアップデータを消したりなんだりしていますが、消すのもちょっと一工夫必要で、こういうときsshが使えると楽です(「ReadyNASでTimeMachineのデータをsshでログインして直接削除 : 或る阿呆の記」)。仮想ディスクなど変更が多くまた大容量になりがちなものはTimeMachineの対象から外したうえで、かつまずは1台のみバックアップを取るようにしました。これにより、いまのところ10日ほど問題なく稼働しており、安定しているように見えますが、ここに二台目のMacのバックアップを追加すると、ちょっとどうなるかわかりません。容量の大きな最初のバックアップでかち合わなければ大丈夫ではないかと思うのですが……。
だいたい以上のような経過を経て、現在ReadyNAS 104を運用しています。なんだか思っていたよりも苦労しました。それでも、自前で全部あれこれやるよりは楽だろうとも思いますし、今後ずっと使い続けていくことを考えれば、故障さえしてくれなければ良い物だと言えます。長いお付き合いになるといいのですが……。
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