ようやく、というべきかもしれません。iOS 9で、限定的にではありますが、広告ブロックが実装されました。といっても、今のところ新たに有料アプリ(Crystalは120円)を購入する必要があります。また、Safari内だけです。が、利用する人にとっては大きなメリットがあるでしょう。
当ブログの広告がブロックされるのを確認
当ブログは、三ヶ月ほど前よりAmazonアソシエイトに参加しています。アフィリエイトは実際どんなものなのかな、と気になったので、やってみることにしました。収入は、平均すると月に一回お昼ごはんを食べられるかどうかといったところ。それでもまぁ、自分のサイトを経由した買い物があるのを見ると嬉しくなるものです。
それはともかくとして、当ブログのAmazonの広告はブロックされるかな?と確認しました。以下です。
こんな感じです。見事にブロックされています。ぽっかりと不自然な隙間があれば、そこには広告があったということになりましょう。ここは、詰めたほうがよいように思えますので、いずれ改善されるかもしれません。タブレットやスマートフォンでの広告ブロックが悲願だった人は多いのではないでしょうか。
当ブログの広告スタンス
前述した通り、当ブログはAmazonアソシエイトに参加しております。収入自体は雀の涙ではありますが、参加している以上、私は広告を否定する者ではありません。しかしながら、Webには最低な広告が看過できないほどに溢れている、ということも事実だと思います。特にアダルトな要素のある広告については辟易としますし、そういうのに限って追尾型という悪夢。いったい金をかけて人に悪印象を与えて何の意味があるんだろう?と疑問に思うのですが、実際にある以上それなりに効果があるということかもしれません。けれども、それならば何をしてもよい、ということにはならず、「規制されていないじゃないか」とやりたい放題にしていれば、必要以上の締め付けが待っています(だからこそ性表現にはどのメディアも気を使っているわけで)。
広告は、本来忌むべきものではありません。「広告ブロックについての私見 | 辺境社会研究室」の記事はたいへん示唆的であり、特に以下の記述はなるほどと思いました。
中には良い広告があって、ユーザもその便益を受けていたはずだ。しかし残念ながら、ユーザはそれを信じない。広告が良いコンテンツを提供しているとき、人はそれを広告と感じない。
真の広告は広告と気づかない、というのは逆説的ですが事実でしょう。それはいわゆるステルス・マーケティングとはまったく違うものです。良い広告ほど印象に残らないとなれば、個人の経験から広告全体の質を把握することは不可能に近く、実は思われているよりも広告というのは有用に機能しているのかもしれません。しかし、だからといってタチの悪い広告があって良いということにはなりませんから、やはり広告ブロックの需要というのはなくならないでしょうし、それもまた理解されるべきことです。
当ブログは、広告についても、広告ブロックについても否定しません。私自身、他の人の紹介記事を参考にしてものを購入するということは日常茶飯事ですから、アフィリエイトの仕組みは良い物だと思っています。そう思えばこそ私もプログラムに参加しているのです。そもそも、現在のインターネットにおいて広告の否定はネットの否定に繋がります。良かれ悪しかれ、それくらい今の広告はネットに根付いている。ネットをしていて、Googleのお世話になっていない人はいません。苦い薬かもしれませんが。
しかしながら、タチの悪い広告が溢れているのも事実なので、とにかく広告をブロックしたい、という要求は理解できるものであり、そのために当ブログの広告がブロックされることを私は厭いません。まぁ、それはこのブログが趣味で書かれたもので、収入自体があってないようなものだから、広告を生業にしている人であればそうも言ってられないだろうとは思います。
といいますか、私自身がPCではAdblockのような広告ブロックの拡張機能を使っていますので、人様のやることについてアレコレ言えるわけがありません!
Web全体から見れば自浄作用
Appleの動向はなんでもかんでも針小棒大に騒ぎ立てるまとめサイトも、本件については実に静かなものです。しかし、今のところ影響はわずかだろうという見方が強そうで(参考:「iOS9の広告ブロック機能が与える損失額は「わずか」10億ドル - iPhone Mania」)、私もそう思います。デフォルトで機能すれば別でしょうが、現在の有料アプリを購入し、設定する、というやり方では、まぁ今までPCでもAdblockの拡張機能を導入していた層のさらにまた一部しか使わないでしょう。また、こういうのは薬と病気の関係みたいなもので、いくら規制を強めたところで、イタチごっこになるものです。
それでも、Apple直々の措置ということで、特に広告業界やアフィリエイト業界へのインパクトはかなり大きい模様。しっぺ返しがきた、という見方もあるようですが、私としては全体の中で自浄作用が働いている、と思えます。Web全体から見れば、一部の企業によりタチの悪い広告が蔓延し、それに対応する形でIT企業の大手が対策をとった、というだけです。別に政府が法律を定めたわけでも、独裁国家が広告を攻撃したわけでも、テロリストが広告やめろとGoogleを爆撃したわけでもありません。Webという大きな枠組で見れば、庭の中で起きたことです。これはつまり自浄だと思います。これを受けて、Webの広告のあり方も変化していくのでしょう。良い方向に変わるとよいのですが。
細々とアフィリエイトの真似事を始めてから、そのうち当ブログの広告についても一つ書かないといけないな、と考えていたので、今回は良い機会でした。ところで、当ブログで唯一サイドバーに陣取って広告リンクが貼られている「UNIXという考え方」という本ですが、一冊も売れていません。本当に良い本なので興味のある方は是非。私は現在読みなおし4週目です。広告以上!
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