私が知っている範囲で、DRMフリーのストアを紹介します。追記:調べてみるとまとめページもそこそこあるようなので、このページももうよいかなぁと思う今日この頃ですが、すべてまとまっているページというのもなかなかないらしく。
2017/12/06:オーム社が2018/01/31にサービス終了予定、ラムダノート株式会社追加、ブックパブ記述変更
2017/07/21:Optronics eBookを追加
DRMフリーの電子書籍ストア
ざっと見ていきましょう。
O'Reilly Japan Ebook Store
ソフトウェア系の技術者で知らない人はいないオライリーです。pdfのほかepubを用意していることが多く、さらに紙の本よりも20%安い。品揃えも申し分なくさすがの一言です。無料の本もありますね。epubは嬉しいんですが、epub読めるアプリってあまりないんですよねぇ…。
本家アメリカでは不穏な動き。
【やじうまWatch】 米オライリーがDRMフリーの電子書籍の販売を停止、サブスクリプション制に移行へ - INTERNET Watch(2017/7/3)
サブスクリプション制ですか……。オライリーの本は辞書的に使うことが多いので、案外有りかもしれません。
Gihyo Digital Publishing
雑誌Software DesignとWEB+DB Pressの技術評論社です。値段は消費税分くらい紙の本より安いといったところでしょうか。品揃えは微妙と書いていましたが、最近良くなってきた感があります。なんといってもSoftware Designがある。たまにここで本を買っています。
Tech Village CQ出版株式会社
トランジスタ技術やInterfaceを抱えるCQ出版です。いつの間にかInterfaceが電子化されているではありませんか!これは嬉しい。トラ技もトラ技Jr.など限定定期に電子かが進んでいますね…さぁ次はトラ技!(あの高い年間まとめCDがあるから躊躇っているのかもですが、CDは買わないけどこのpdfなら買う人は多いんじゃないかと思いますよー)
やり直しのためのシリーズがあって嬉しいです。
達人出版会
主にIT系の書籍があります。委託出版だけでなく、ここにしかない自前の書籍があることが特徴です。意志を感じますね。でも最近あまり元気がない感じです。検索にGoogleカスタム検索を用いており割り切ってるなぁと思います。たしかに必要十分かもしれません。Ubuntu Server 実践バイブルが紙の本の後しばらくしてからここで電子書籍が販売され、ちょっと悲しかったです。新刊遅らせは電子書籍にありがちな悪習の一つだと思います。これは別に達人出版会が悪いわけではありませんが…。
翔泳社
品揃えが微妙過ぎて利用したことがありません。翔泳社の本自体には、欲しい本もあるのですが、ここにはだいたいない。なぜ自前のストアがあるのに、BookLiveとかで委託販売するのでしょう?といっても、自前のストアの集客力という現実もあるので、商業的には作っているだけマシかもしれません。が、少なくとも、わざわざコピーガードに触れて「うちはそんなことはしない!」と宣言するオライリーやCQ出版等とは違うスタンスであることは確かのようです。
ラトルズネット
Raspberry PiやBeagle Bone、Arduinoといったシングルボードコンピュータの解説書やAppleの新言語Swiftの解説書など、モダンなIT関係の書籍を多く出版しています。会員登録してラトルズネットから直接通販すると、紙の書籍にくわえて電子書籍版のダウンロード権がついてくるという素晴らしいサービスを展開しています。もちろん電子書籍も購入可能。そういえば以前、「ボクのArduino電子工作ノート」を購入した時、限定の特別付録でしたがPDFのCDがついてきました。
技術書出版ラムダノート株式会社
まだ数は少ないですが、IT系の専門的な書籍が売られています。元オーム社eStoreを運営されていたスタッフの方が運営されているそうで、そのへんの事情は「オーム社電子書籍直販サービス終了に関して:Geekなぺーじ」の記事が詳しいです。
OPTRONICS eBOOK
光学系の専門サイト。数は少ないが専門サイトなので問題ないか。光学系は自社で独自展開しているところが多い気がします。
書籍のPDF版を購入できますが、一部コピー等には制限がありました。
明治図書の電子書籍 - 明治図書オンライン
私は利用していないのですが、主に教員向けの本があります。DRMフリーであることをハッキリと謳っています。なるほど、DRMを苦々しく思っているのは理想主義的なソフトウェア方面の人ばかりではなく、こういった人たちもあるのですね。DRMがかかっていれば教材配布のためのコピーもままなりません(たしか著作権法でも学校での限定された使用はOKでしたね)。まだあまり揃っていませんが、意志を感じるので今後に期待したいところです。
電子書籍ファンのための出版社直営電子書籍モール「ブックパブ」
以前は雑多な電子書籍サイトという感じでした。で、一時サービスが利用できなくなってサービス終了?という噂もあったのですが…(参考「【やじうまWatch】 サービス消滅か? DRMフリーの出版社直営電子書籍ストア「ブックパブ」が利用不能に - INTERNET Watch」)
久々に見てみたら、トップセールが波動光学の本というものすごくマニアックなサイトになっていました。
終了したところ
残念ながら終わってしまったところ。
オーム社eStore
ちょっと意外なところがやっていました。ガチガチのソフトだけでなく電気系の本なんかも多いですね。昔プログラミングの線形代数という本を紙で購入したのですが(良書です)、実はpdfでも販売していることを知り悔しい思いをしたものです。pdf版はだいたい20%引きくらいでしょうか。紙とセットでお安くなる、という微妙なサービスが特徴です。紙とセットって需要はあるのでしょうか…?
※残念ながら、2018年1月31日に販売終了となってしまいました。
雑感
ストアは微妙な使い勝手と微妙な品揃えというところが多いです。別に電子出版・販売が専業ってわけではないので仕方ないのですが。むしろ利益というより、ソフト系としてあるべき姿のためになんとかやっているという感があります。DRMフリーでKindleクラスのストアができれば…現状厳しいですね。Kindleといえば、今回紹介しませんでしたが、KindleでもDRMフリーの本はあります。多分個人出版的なやつがたいていだと思いますが…。
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