電子書籍を利用する観点からみたデバイスの大きさについて

本記事では、「電子書籍を読む」という一点に絞って、スマートフォンやタブレットといったデジタルデバイスの大きさ別使用勝手について書きます。もう少し一般的な記事としては、以前に「4,5,6,7,10インチ スマホorタブレットの各メリット・デメリットと適した生活スタイル : 或る阿呆の記」という記事を書きました。

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電子書籍用途としてのタブレット

私のタブレットの主な使用用途に、電子書籍の閲覧があります。電子書籍はまだまだ一般に普及しているとは言い難いですし、現状見ていると果たして普及する日は来るのだろうかと不安にもなりますが、まぁ少しずつは人口も増えていると思いますし、気長に待ちましょう。

予備知識として、電子書籍には大きく画像タイプの固定レイアウト型と、画像ではないリフロー型に分かれることだけ(「電子書籍の固定レイアウト型とリフロー型との違いについて学ぼう – 非天マザー by B-CHAN」)。前者はつまり画像をまとめたものです。jpgの固まりみたいなものです。一方、後者はWebページのように自由に文字の大きさや行間などを調整できるタイプです。自炊本などは画像ですので当然前者にあたりますし、Kindleなどで購入できる小説は後者のタイプが多いです。レイアウト重視の大判な本などは前者の形態であることも多いですが。デジタルの強みを活かせるのは後者なのですけれど、実際には画像タイプのものも多いのが実情です。

各大きさの使い勝手

各サイズについて、主に携帯性、操作性(片手で使いやすいかなど)、読みたいジャンルに適した画面の広さかどうか、という観点からその使い勝手を書きます。同じ大きさでも、アスペクト比が16:9のワイドなのか4:3のスクエアなのかで随分と勝手が違うのですが、ややこしいので全部ひっくるめて書きます。書籍によって様々ではあるのですけれど、電子書籍目的であればたいてい4:3のほうが無駄が少なく、画面を有効に使えます。したがって、解像度がもし選べるのであれば、4:3のほうがオススメです。

4インチ:すべてにおいて小さい

iPhone 5S以前や、小型のスマートフォンが4インチにあたりますが、電子書籍の利用を考えるとかなり厳しい大きさです。画像タイプの電子書籍は、余白をそぎ落として限界まで拡大した、文章主体の文庫本ならば、まぁなんとか読めないこともない、といったところです。では、文字主体のリフロー型ならばどうか?というと、これはもちろん読める、読めるのですが、どうしても一行、一画面あたりの文字数が少なくなりますから、やたらとページ数が多くなり、なんだかまどろっこしい。総文字数が変わるわけではないのですが、実際のところ読書スピードは遅くなると思います。

まぁ、電子書籍を主たる目的に考えるのであれば、オススメできない大きさです。一点だけ、その携帯性は非常に素晴らしい。しかし、電子書籍は比較的じっくり読むことが多いコンテンツですから、ミュージックプレイヤーのようには携帯性の重要度は必ずしも高くありません。

5インチ:文庫なら可、片手で楽ちん

5インチになると、文庫本サイズの小説であれば、リフロー型のものはもちろん、レイアウト固定型のものも比較的読みやすくなってきます。まぁ老眼気味の人などには辛いでしょうが。そして、このサイズは「片手読み」と「ポケットに入ること」がポイントです。

大きさが小さいので軽いうえに、電子書籍は複雑な操作をしませんから、手が小さい人でも片手読みが楽です。片手が空くのは嬉しくて、たとえばお茶を飲みながらの読書が気楽にできます。また、5インチはギリギリポケットに入る大きさでもあるので、ポケットに忍ばせておき、たとえば家事や雑用の隙間時間にささっと読んではささっとやめる、スピーディーで細切れな読書に最適です。読書は落ち着いてゆっくりしたいものですが、現実というのはそういつもいつも都合よくはいきませんから、意味のあることだと思います。

6インチ:最適?子供からお年寄りまで

個人的に、6インチは電子書籍に最適な大きさだと思います。特にアスペクト比がiPadのように4:3であれば、これで問題がない。大きさはだいたい十分で、しかも軽い。電子書籍の操作程度ならば片手でも苦なく扱えるでしょう。落ち着いた読書にはうってつけだと思います。KindleやKoboなど、主要な電子書籍端末が採用しているだけはあります。

しかしながら、固定レイアウト、画像タイプの本を読むのには、本によっては辛いかもしれません。特に解像度がワイドな端末だと、6インチではまだちょっと厳しいかも。

7インチ:大判以外はいける万能

7インチも電子書籍には適した大きさです。ただ、6インチよりも若干重く、また大きさの分だけ片手操作などはしんどくなります。ですが、6インチでは若干辛いかな?という本も7インチならばだいたい快適に読めます。解像度がワイドでも大丈夫です。大判の本以外は、単ページでよければだいたいいけます。

使いやすさもそこそこに、読める本がもっとも幅広い大きさではないでしょうか。

10インチ:漫画見開き、大判ならこれ

10インチは重いです。持ち運びに適していません。また、画面が広すぎて、普通の小説を読むのには逆にしんどいです。画面が広いほうがしんどいなんてあるの?と思う人は教室の壁一面が1ページの本を想像してみたらよいでしょう。これは極端な例ですが、要は人間の大きさに適したサイズがあり、大きすぎても小さすぎてもダメということです。そしてそれは読みたいものによって微妙に変わります。少なくとも、小説を読むのに10インチは大きい。単行本ってそれくらいの大きさがあるのに、iPadだとしんどい感じがするのは何か不思議な感じがします。区切りの有無が一つのポイントかもしれません。まぁいずれにせよしんどいです。

しかし10インチが威力を発揮するジャンルもあります。まずなんといっても漫画です。漫画を見開きで読めます。単ページならば6,7インチクラスでも十分ですが、見開きとなるとやはりこれくらいの大きさは欲しい。漫画は見開き文化ですから、是非とも見開きで読みたいものです。

あとは、大判の書籍です。技術書や写真集など、大きさが必要な書籍は世に多くありますが、そういった書籍を読むのにもこれくらいの大きさは必要です。雑誌を読むのにも、これくらいの大きさがあるとよい…というか、雑誌だとまだ少し小さいかなというくらいです。

それ以上:雑誌、楽譜、大判書籍、写真集など

AndroidやiOSではそもそもデバイス自体がほとんどないのが実情で(参考「12インチ以上の大型のAndroidタブレットが欲しい : 或る阿呆の記」)、今だとどうしてもWindowsタブレットということになってしまいそうです。私はWinタブで何度か試しました。

10インチの使い勝手をより極端にした感じでしょうか。まぁ、ノートPCでフルスクリーンにして閲覧する感じですね。重いしとても使いづらいのですけれど、楽譜や写真集など、限定的な用途で威力を発揮します。漫画を雑誌並に贅沢な大きさで読みたい、という需要もあるでしょうか。

iPad Proは高いし、Androidでビューアー用途の熟れたものが出てくれるといいのですが……。

総評

以上より、用途が決まっていてかつ限定的であるならば、それに適した大きさのものが一つあればOKです。だいたいは6インチの解像度4:3か7インチになるでしょうが、読むのがリフロータイプの小説オンリーで、かつ移動して読みたいというのであれば5インチも良い選択です。家で漫画しか読まない、と決まっているのであれば、10インチが幸せの近道です(外で読むならば、携帯性と見開きを天秤にかけることになりましょう)。一方で用途が広いと、どうしても2台持ち以上の選択肢を選ばざるを得ません。私の場合は、携帯性を兼ねた5インチのデバイス(Xperia Z3)と、大きな書籍用に10インチのデバイス(iPad Air 2)を主に用いています。他にKindleなども持っていますが、出番は多くありません。3台以上は実用性というより趣味の領域だと思います。

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